創作パズル タイプ相性パズル2

はじめに

ポケモンのタイプ相性を題材にした、かわいいパズルの第2弾を紹介します!
今度は野生のポケモンが1匹混ざっているようです……

使う知識はタイプ相性だけで表を見ながら考えられるので、ポケモンについて詳しく知らない人でも大丈夫。
かわいいポケモンたちと「推理を推理すること」を体感してみましょう!

考えてみよう

問題

3匹のポケモンがテラスタルしたときの話をしています。
3匹は、自分のテラスタイプと,3匹のテラスタイプが互いに異なることと,それまでの発言だけを使って、推理して発言しています。

ニャオハ「ニャ~(ポケモンにしかわからない言葉)」
ホゲータ「ニャオハのテラバーストはクワッスに効果がないことはないとわかったホゲ」
クワッス「ニャオハのテラバーストはホゲータに効果がないことはなく、ホゲータのテラバーストはニャオハに効果がないとわかったクワ」

3匹のテラスタイプは何でしょうか?

補足

テラスタルとは、ポケモンそれぞれが持っている別のタイプ(テラスタイプ)に変化することです。
テラスタル中はテラバーストという技がテラスタイプのタイプ技になります。

ポケモンのタイプ相性表を載せておきます。
〇・・・効果ばつぐん,△・・・効果いまひとつ,×・・・効果がない

少し下にスクロールすると解答があります。














解答

ニャオハ…ひこうタイプ
ホゲータ…じめんタイプ
クワッス…でんきタイプ

解説

最初の発言者であるニャオハには自分のタイプしかわからないので、ニャオハの発言はニャオハのタイプに関する情報しか持っていません。
つまり、「私は○○タイプか△△タイプだニャ」のような意味の発言だといえます。
例えば、前作のタイプ相性パズルでのニャオハの発言「私のテラバーストはクワッスに効果ばつぐんではないとわかったニャ」は「私はノーマルタイプかドラゴンタイプだニャ」という意味の発言に言い換えることができます。

タイプの中には効果がない相手がいるものと効果がない相手がいないものがあり、効果があるかどうかばかりが発言に出てきているこのパズルでは、その分類が重要になります。
効果がない相手がいないタイプをA1,A2,…のように表し、効果がない相手がいるタイプをB1,B2,…のように表し、B1,B2,…の効果がない相手のタイプをそれぞれC1,C2,…のように表すことにします。
例えば、悪タイプはAiのように,格闘タイプがBjならゴーストタイプがCjと表されます。

つまり、ニャオハの発言は「私はA1,A2,…,Am,B1,B2,…,Bnのどれかだニャ」の形をしています。

ニャオハが可能性として挙げるBiすべてについて、ホゲータ目線でニャオハがBiでクワッスがCiという状況をなくすために、「ホゲータがBiである」か「ホゲータがCiである」を満たしていなければなりません。

n=0のとき
m>0であり、ホゲータがどんなタイプでもホゲータは推理ができます。
よって、クワッス目線のホゲータのタイプがわからず、クワッスは後半の推理ができません。

n=1のとき
クワッスがB1とC1以外ならば、クワッス目線でニャオハがB1でホゲータがC1の可能性があるため、クワッスは前半の推理ができません。
クワッスがC1ならば、ホゲータは推理できるようになるためB1でなければならず、クワッスは後半の推理ができません。
クワッスがB1ならば、ホゲータは推理できるようになるためC1でなければならず、クワッスが後半の推理をするためには、ニャオハのタイプにC1が効かないとわからなければなりません。
そのようなC1はじめんのみであり、B1がでんき,m=1,A1がひこうでなければなりません。

n>2のとき
ホゲータが推理できるためには、すべてのBiで「ホゲータがBiである」か「ホゲータがCiである」を満たすために、①~⑥のどれかになっていなければなりません。
①B1がでんき,B2(=C1)がじめん,ホゲータがB2
②B1がかくとう,B2(=C1)がゴースト,ホゲータがB2
③B1がノーマル,B2(=C1)がゴースト,ホゲータがB2
④B1がゴースト,B2(=C1)がノーマル,ホゲータがB2
⑤B1がノーマル,B2がかくとう,ホゲータがC1(=C2)のゴースト
⑥B1がノーマル,B2がかくとう,B3(=C1=C2)がゴースト,ホゲータがB3
クワッスがB1以外ならば、クワッス目線でニャオハがB1でホゲータがC1の可能性があるため、クワッスは前半の推理ができません。
クワッスがB1ならば、クワッスが後半の推理をするためには、ニャオハのタイプにC1が効かないとわからなければなりません。
そのような状況は①でm=1,A1がひこうでなければなりません。

ゆえに、ニャオハがひこう,ホゲータがじめん,クワッスがでんきで,ニャオハの発言が「私はひこうかでんきだニャ」か「私はひこうかでんきかじめんだニャ」を意味する内容でなければなりません。
また、その状況ならば3匹はこの発言ができます。

背景

論理パズルでは、解答が満たさなければならない条件がいくつか与えられます。
そのすべてを満たすような状況を見つけることが、そのパズルを解くということです。

今回のニャオハの発言のように、私たちに読めない条件はあっても意味がないように感じてしまいます。
しかし、他のポケモンたちには理解できていて推理に使っているので、彼らの推理を推理するときに間接的に意味があるのです。

多くの論理パズルでは、登場人物の発言は与えられることしかありませんが、このパズルでは伏せられた発言がどんなものだったか考え、私たちが与えてやる必要があります。
解答だけでなく、問題文の一部も解くのは新鮮だったのではないでしょうか。

ポケモンのタイプ相性の情報を利用したパズルは以前にも紹介しましたが、まだまだ問題に使える面白い部分があったので再度作ってみました。
今回も、具体的なタイプ名を一切出さずに具体的な解答が得られる問題になっています。
内容としては具体的なタイプ名に触れているニャオハは野生になっていて、私たちには言葉がわからないようになっているので、ちょうどよく問題文の美しさが保たれています。

最後に

ポケモンのタイプ相性は、効果がある・ないの部分だけでも十分に面白いパズルが作れます。

ニャオハは野生になっても可愛いですね。

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