目次
はじめに
ジグソーパズルはお好きですか?
ジグソーパズルは物理的なパズルですが、この記事では論理パズルとして楽しむことができます。
それでは、問題を解いてみましょう!
考えてみよう
問題
絵も裏表も凹凸の差もないジグソーパズル??
ピースすら見れないなんて、どんなジグソーパズルなのか全く情報がないのでは?
いいえ、このジグソーパズルは”別解がないこと”がわかっているジグソーパズルです。
少し下にスクロールすると解答があります。
解答
解説
凹凸1つのピースをAタイプ,隣接した凹凸2つのピースをBタイプ,離れた凹凸2つのピースをCタイプ,凹凸3つのピースをDタイプ,凹凸4つのピースをEタイプと呼ぶことにします。
左上に固定された凸と凹のBタイプピースも一旦盤から外して考えることで、回転,反転させた盤面を同一視してケースを列挙できるようにします。
盤には角が4つありますが、角を埋められるBタイプは3種類しかありません。
Aタイプを1つだけ盤の角に置いても、別の角が生まれてしまいます。
Aタイプは図のように組み合わせて使うことではじめて角を1つ埋めることができます。
ここで、問題の解をとりあえず1つ見つけるために、使用するピースセットに次の仮定を与えて、できるだけジグソーの別解が生まれないようにしようと思います。
全体で1つ以下しか使えないEタイプを1つ採用して,そうすることで2つ以下しか使えなくなるCタイプを2つ採用します。
さらに、Eタイプピースに回転の余地を残すと解の可能性が増えそうなので、すべて凸かすべて凹なEタイプピースを採用します。
ケース(1)にEタイプが使われていると、残りがすべてDタイプでなければいけなくなり、Cタイプを使用することに反します。
よって、ケース(1)ではないとわかります。
すべて凸なEタイプピースを採用した場合を考えます。
平らな辺の向かいが凹なDタイプは3種類しかないので、①は右に凸でなければいけません。
(ⅰ)②が上に凸な場合を考えます。
凸なAタイプピースは1種類しかないので、③は左に凸でなければいけません。
L1で切った右のかたまりを上下反転した形が別解にならないように、④は右に凸でなければいけません。
L2で切った右のかたまりを上下反転した形が別解にならず,使用するDタイプに被りがないようにするために、⑤は右,⑥は左に凸でなければいけません。
使用するBタイプ,Dタイプに被りがないようにするために、⑦と⑧は下に凸でなければいけません。
使用するBタイプに被りがないようにするために、⑨と⑩は左と下か,右と上に凸でなければいけません。
(ⅱ)②が下に凸な場合も同様に考えると、③~⑩はケース(ⅰ)の逆向きになります。
使用するBタイプ,Cタイプに被りがないようにするために、⑨と⑩は左と下に凸でなければいけません。
ケース(ⅰ)で⑨と⑩が右と上に凸な場合とケース(ⅱ)で⑨と⑩が左と下に凸な場合は、使用するピースセットが同じなので互いに別解になってしまいます。
よって、すべて凸なEタイプピースを採用した場合は、ケース(ⅰ)で⑨と⑩が左と下に凸な場合だけそのピースセットで別解を作れないとわかります。
左上のピースを固定された通りになるように回転,反転した完成図がこの問題の解答の1つとなります。
また、すべて凹なEタイプピースを採用した場合を考えると、同様に1種類のピースセットだけ別解がないと言えるのですが、左上のピースを固定された通りになるように回転,反転することができず、この問題の解答にはなりません。
背景
絵が描かれていない無地のジグソーパズルはミルクパズルや宇宙パズルなどと呼ばれています。
ミルクパズルは、ピースの凹凸の形のわずかな差を頼りに組み立てなければならないので、忍耐力をすごく必要とするパズルです。
そこで、そのわずかな凹凸の手掛かりまで無くして、ついでにピースも失くしてみました。
すると、忍耐力の代わりに論理力(もしくは総当たり力)を必要とするメタパズルができあがりました。
解説では、少々天下り的に使用するピースセットに仮定を与えて、その下で1つの解を見つけました。
強すぎる仮定の下ではジグソーの解が1つもなくなってしまう可能性があるので、手加減が必要です。
また、この仮定で排除されたピースセットの中には、問題の別解を与えるものがあるかもしれないことに注意しましょう。
実際にはこの問題に別解はありませんが、その確認はこの記事ではしないことにします。
最後に
このジグソーパズルはピースを失くさなくてもミルクパズルとして楽しくお遊び頂けますが、ピースを失くすとより一層楽しくお遊び頂けます。
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「何もないパズル」シリーズはこちら。
次の3×4のジグソーパズルの完成図を答えてください。
ピースには絵がなくて裏表の区別もないです。
各ピースは1つ以上の辺が凹部か凸部になっていますが、すべての凹部,凸部は同じ形をしていて区別がないです。
同じ形のピースはなく、回転や反転を除いて別解はないです。
回転や反転による別解もなくなるように、左上のピースだけ図のように固定しました。
しかし、他のピースは失くしてしまいました。