創作パズル わからないのにわかるコイン

はじめに

今回紹介するのは、わからないと言われているのにわかるパズルです。
何を言っているかわからないかもしれませんが、この記事を読み終わる頃にはきっとその意味がわかるはずです!

では、問題を解いてみましょう。

考えてみよう

問題

男が左右の手に何かを隠して、「どちらの手の中にもコインがある」と言いました。
どちらの手の中を見ても男の言葉が正しいかわからないとき、男の言葉は正しいでしょうか?

見てもわからないのに見ないでわかるのでしょうか?

少し下にスクロールすると解答があります。














解答

正しい

解説

どちらかの手の中にコインがなかったとすると、私たちがその手の中を見たときに男の言葉が正しくないとわかってしまいます。
よって、どちらの手の中にもコインがないといけません。

また、どちらの手の中にもコインがあった場合は、私たちがどちらの手の中を見てももう片方の手の中にコインがあれば男の言葉は正しく,もう片方の手の中にコインがなければ男の言葉は出しくないので、男の言葉が正しいかわかりません。

ゆえに、私たちには男の言葉が正しいとわかります。

背景

この問題は一見すると、見てもわからないのに見ないでわかるはずがないと思うかもしれませんが、実は男の言葉が正しいとわかってしまいます。
それは、わからない私たちとわかる私たちの立場が異なっているからです。

このことに注意しなくてもこの程度の問題なら解けてしまう人は多いですが、大事なことなので解説では2種類の「私たち」を区別できるようにしました。
私たち」とは、男に握りこぶしを見せられている、つまり問題文の1文目だけ知っている者のことです。
私たち」とは、そんな私たちには男の言葉が正しいかわからないと聞いた、つまり問題文をすべて知っている者のことです。

この問題は典型的なメタパズルの構造を持っています。
私たちが解くのがパズル,私たちが解くのがメタパズルでありこの問題です。

抜き打ちテストのパラドックスというたくさん議論されているパラドックスがあり、様相理論というものを用いた解釈もされています。
メタパズルの構造を持つ状況では、どの問題に誰が取り組んでいるかの表示は省略されていることが多く、それで混乱を招いた例が抜き打ちテストのパラドックスだと私は考えています。
今は、わからないこととわかることは考えている人の立場が異なっていれば両立し得ることだけ知っておいてください。

参考リンク Wikipedia 抜き打ちテストのパラドックス

最後に

私のパズルの中では簡単な方ですが、多くの人に考えてもらいたいとても大事なメタパズルです。

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